THE URUSHI

漆 ― 9,000年をかけて磨かれてきた、日本のうるし。

飾るのではなく、使う。

すり減るのではなく、育つ。

01

漆は、飾るために塗るのではない。

守るため。引き出すため。深めるため。

漆は乾くのではなく、固まる。樹液が硬化し、自然界でもっとも強い被膜のひとつになる。水も、熱も、酸も、菌も寄せつけない。

9,000年のあいだ、人は手に触れ、口に運ぶ道具に漆を塗ってきた。見せびらかすためではなく、安全に、そしてそばに置きつづけるために。

02 素材

隠さず、引き出す。

塗料は隠す。漆は薄く沁み込み、素材を前へ引き出す ― 木の木目、革の繊維、ステンレスの肌理、和紙の繊維。素材は素材のまま、ただ深くなる。

Leather

Steel

Wood

Paper

03

黒に、深さを。

光が入り、戻ってこない。

固まった漆は、塗っては出せない黒をつくる ― 光が表面に入り、戻ってこない。上に乗せた色ではなく、素材そのものの面が漆になった黒。

静かで、濡れたように、生きている。装飾はいらない ― 深さこそが装飾だ。

Urushi-lacquered stainless chopsticks, 2-pair set by THE URUSHI, Kyoto

04 シンプル

ふたつで、ひとつ。

漆を足し、他を引く。

守り、引き出し、深めた ― だから、他には何もいらない。素材と漆、ふたつでひとつになる。

漆を足すのは、他のすべてを引くため。

05 また、戻る

使い切って、また戻る。

i

使う前

深く、艶を抑えた黒。京都の手が、拭き漆を一層ずつ重ねていく物語。

ii

手のなかで

一日に何度も触れる。手を引き寄せ、使うほどに深まる肌。

iii

時とともに

すり減るのではない。使い込むほど、艶があなたの方へ落ち着いていく。

塗り直す

艶が落ちたら、塗り直す。蘇って、また始まる。¥2,900〜

多くの物は、捨てる前提でつくられる。漆は、塗り直す前提でつくられる。関係は購入で終わらない ― そこから始まる。

06 食卓へ、還る

食を守るために生まれ、食卓へ還る。

漆はそもそも、食べるものを守るために生まれた素材。カトラリーは新商品のひとつではない ― ブランドが原点へ還ることそのものだ。

課題 現代の食卓は清潔だが、無機質で、名前がない。
起源 漆は、日本の工芸の黎明から食器のための素材だった。
展開 その漆を、鋼・木・石・紙へ。
手仕事 拭き漆で、京都の手が一点ずつ。
還る 使い、塗り直し、また戻る ― 生き続ける食卓の道具。
今日へ 漆を、もう一度、手のなかへ。毎日。

過去を、守るのではない。
あなたの手に、渡すのだ。