The Urushi — Brand Story
漆と、生きる。
9000年前から、日本人のそばにあった素材。
その可能性を、もう一度。
Origin
9000年、途切れなかった理由。
縄文時代の遺跡から、漆塗りの櫛が出土している。9000年前——文字すらなかった時代に、人はすでに漆を塗っていた。
なぜ、これほど長く使われ続けたのか。美しいから? 丈夫だから? それだけではない。漆は「暮らしそのもの」だったからだ。
食器に塗れば、食べ物が腐りにくくなる。木に塗れば、水を弾き、何十年も朽ちない。武具に塗れば、戦場でも錆びない。漆は祈りの道具にも、戦の道具にも、食卓にも——日本人の生活のあらゆる場面にあった。
漆は美術館にあるものではなかった。
台所にあり、手のひらにあり、
暮らしの真ん中にあった。
Urushi
漆という、生き物。
漆は「乾く」のではない。漆の中に生きている酵素——ラッカーゼが、空気中の水分と反応し、みずから硬化していく。世界で唯一、生命の力で完成する天然塗料。
だからこそ、漆は湿度の高い場所で硬くなる。乾燥した部屋では固まらない。常識とは逆のふるまいをする、不思議な素材。
そして一度硬化した漆の塗膜は、酸にもアルカリにもアルコールにも耐える。どんな化学塗料よりも強く、美しく、そして菌の増殖を抑える。自然が9000年かけて証明した、最高のコーティング。
酸・アルカリ・アルコールに耐える、驚異的な耐久性
ラッカーゼ酵素による硬化——生命が仕上げる唯一の塗料
抗菌・防水・防腐。自然が設計した完璧なコーティング
紫外線で透明感が増す——時間が美しさを加える唯一の素材
Philosophy
伝統だから価値がある、ではなく。
かっこいいから、使いたい。
美術館に飾られ、桐箱に仕舞われ、「特別な日」の道具になった。
でも本来、漆は暮らしの道具だった。
毎日の食卓にあり、毎日の手元にあった。
漆を「守る」のではなく、「使う」。
敬うのではなく、触れる。
その手触りを知った人だけが気づく。
——ああ、これは特別だ、と。
「特別を、あたりまえに。」
THE URUSHIは、その一点だけを考えています。
Craftsmanship
手から手へ、200年。
京都・若林佛具製作所。創業から200年以上、仏壇・仏具製造を手がけてきました。漆塗り、金箔押し、蒔絵——長い歴史の中で、日本の装飾技法を知り尽くした目を持っています。
漆を塗る仕事には、マニュアルがない。その日の気温、湿度、漆の状態。すべてが毎回違う。職人は指先で漆の「声」を聴き、その日その瞬間の最適な塗り方を判断する。
THE URUSHIは、そんな漆職人たちとともにものづくりを続けています。200年かけて築いてきた職人との信頼が、すべての製品に宿っています。
漆を塗れる機械は、まだ存在しない。
だから、一つひとつが職人の手仕事。
Process
素材が変われば、技法も変わる。
THE URUSHIは、製品の素材に合わせて2つの漆の技法を使い分けています。
革には「拭き漆」を。ステンレスには「焼付け漆」を。
それぞれの素材と漆が最も強く結びつく方法を選んでいます。
拭き漆
漆を素材に塗り込み、拭き取り、硬化させる工程を何層にも繰り返す技法。表面に塗膜を乗せるのではなく、素材の内部に漆を浸透させます。木材や革など、漆が繊維に染み込む素材に用いられます。
焼付け漆
高温で焼き付けることで、漆とステンレスを強固に一体化させる技法。熱によって漆は金属の表面と結合し、剥がれない。割れない。食洗機の高温にも水圧にも耐える。ステンレスという現代の素材に、漆を纏わせるために生まれた手法です。
Step 01
下地処理
素材の表面を整え、漆が均一に浸透する状態を作ります。この工程の精度が仕上がりを決める。
Step 02
摺り込み
生漆を素材に擦り込み、繊維の奥まで浸透させる。余分な漆は丁寧に拭き取り、均一な層を作る。
Step 03
漆室で硬化
温度と湿度を管理した「漆室(ふろ)」で、漆の酵素が空気中の水分と反応し、みずから硬化していく。
Step 04
繰り返し
摺り込みと硬化を何層にも重ねる。層を重ねるほど、素材と漆は一体化し、深みのある質感が生まれる。
Numbers
漆を、数字で知る
9000
年
人類が漆を使い始めてからの歴史
150
mL
漆の木1本から1年間に採れる樹液の量
25
℃
漆が最も美しく硬化する温度
80
%
硬化に必要な湿度。乾燥では固まらない
Time
時間が、仕上げる。
漆には、他のどんな素材にもない性質がある。
時間が経つほど、透明感が増し、色に深みが出る。
新品が最も美しい——そんな常識は、漆には当てはまらない。
使い込むほどに艶が生まれ、手に馴染み、表情が変わる。
10年後のほうが美しい。
そんな素材は、世界中を探しても漆だけかもしれない。
THE URUSHIの製品は、届いた日が「始まり」です。
Vision
手元に、漆を。
THE URUSHIが目指すのは、漆を「特別な工芸品」から「毎日の道具」に戻すこと。
カトラリー、財布、ネクタイピン、マネークリップ——
手に触れるものすべてに、漆を。
伝統を守るために作るのではない。
「これがいい」と自然に手が伸びるものを作る。
その結果として、漆の技術が次の世代に受け継がれていく。
それがTHE URUSHIの信じる、伝統の未来です。
漆のある暮らしを、はじめる。
9000年の歴史と、200年の手仕事。
その先にある、新しい漆の日常を。
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